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肥後物産通信4月号「品種による耐久性について」

 畳店様より質問を頂きましたのでご紹介いたします。

 

Q:草の強さランキングでいうと涼風は一番強いですか?

 

A:草の強さ・耐久性という事では、研修でも触れていますが、基本的には実入りが良く草に丸みがあるものが強いと思います。同じ実入りであれば茎の直径が大きいものがより強いでしょう。

そのため、一概にどの品種が一番強いとは言えないと思います。

 

 作り手によりますが、夕凪は表皮が硬いのですが実入りが早刈りのせいかあまりよくない傾向で、極端な例えですが、ストローみたいに周りは硬くても中身(灯芯)が薄ければ皮向けは早いと過去の事例より思います。一見、「表皮が硬いこと=耐久性あり」と思われがちですが、より灯芯の実入りを重視したほうがいいと思います。

 夕凪も涼風も早刈りの品種なので、一部を除きツヤのないものが多い傾向に思います。カサカサしている感じです。みどり草の早刈りはもっと耐久性は落ちると思います。だからと言って夕凪が悪い、また、みどり草がどうこうというわけでなく、「この品種はすべて強い、弱いと一概に言えない」と思っています。 

一方、遅刈の製品はツヤのあるものが多いです。ツヤと実入りは、ほぼ比例すると思います。

実入りが良い草は、草に丸みがあり、丸みがあるために光線がよく反射してツヤがあるように見えるのではないかと思います。

丸みのある草は、織り込んだ時に綺麗に並んで表皮の凹凸が少なく、一方、丸みのないものは、織り込んだ時に中の実が潰れて表皮の並びが凹凸になって、それでスレが早いのではないかと思われます。

 

 涼風は1年目の品種で耐久性はまだ分からない点がありますが、これまでの原則から言うと、同じ涼風でも実入りが良いツヤのある草は強いと思います。他の品種との強さの比較は、「実入りが良く丸みがあり、更に直径が大きいものが強い」という原則の中でのバランスと思います。茎が細めのひのみどり草でも、実入りが良ければ茎が大きくて実入りの少ないものより強いと思います。そのバランスで見分ける事だと思います。

 

いずれにせよ耐久性については、畳店様からの情報が重要ですので、「こういうのを使ったらこうだった」という事例がありましたら是非教えてください。

 

◎これまでの「品質に関してのQ&A」はこちらまで

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