2月中旬となり畳表の出品も増えてきました。一部の生産者では路地野菜の収穫もありますが、生産は最盛期となっています。
今年度のい草の作柄は、7月前半の長雨の影響から一気に草丈が伸びた傾向があり、そのようない草の畳表品質では少し柔らかい草質で、新草の出始めの頃は一部ですが根白の目立つ品物がありました。(2020年 新草収穫状況)
現在は、長さ選別で通常より長く選別したり、製織では根を長くカットするなど、加工技術の工夫から根白の目立つ品物は少なくなってきました。ただ伸び過ぎた草は、長い草の占める割合は多いのですが、柔らかい草質となっています。
このような傾向から畳表の生産状況は、草が長くても高級品(久〜茂)となる品物は少なく、上級品クラス(登〜比)の占める割合が多くなっています。
また五八糸引を含む中級品以下(喜〜A)の割合は全体の3割程度と少ない状況です。
今後も同じような生産状況となるのか、一部の生産者に現在と今後の生産予定について聞いてみました。
Q1:例年と比べて1番抜きと3番抜きのい草の量はいかがですか?
Q2:4番・5番抜き等の中級品以下の生産時期は?
Q3:現在の品種と今後の品種は?
生産者の声
千丁地区 A氏
Q1:1番抜きは倍くらい。3番抜き2/3程度。
Q2:五八糸引は4月半ばくらいから生産予定
Q3:在来種 今後も同じ
竜北地区 M氏
Q1:1番抜きは1.5倍程。3〜4番抜きは2/3程と少ないが、5〜6番抜きは少し多い。
Q2:2月後半から五八糸引を生産予定
Q3:ひのみどり 今後も同じ
鏡地区 S氏
Q1:長さ選別で量的にはあまり変わらないように調整している。
Q2:3月に入って生産予定
Q3:涼風 今後も同じ
宮原地区 A氏
Q1:現在は例年と変わらず。前の田圃では1番抜き1.5倍程、3番抜きは半分程度だった。
Q2:五八糸引も生産中
Q3:ひのみどり 今後ひのみどり3.5反、涼風4反
金剛地区 H氏
Q1:現在の田圃になって1番抜きが1.5倍程、3番抜きは半分以下になった。
Q2:五八糸は生産しない。4番抜き以下は原草で販売。
Q3:涼風 今後も同じ
生産の傾向として
- 選別い草の割合は、1番抜きは例年の1.5倍程と多く、3番抜きは2/3程度と少ない
- 五八糸引の生産は今後3〜5月を予定されているが、一部では製織せず原草販売も視野にある
- 短い草の製織は選り出しなど、製織に掛かる手間が多い割に価格が安いので、長い草の生産を優先される
- 涼風の短い草は製織せず、原草販売されるところが多い
(生産者の皆様にはインタビューにご協力頂きましてありがとうございます)
畳店様アンケートご協力のお願い(2021/2/12〜3/12)
「熊本県藺製品卸商業協同組合では、消費者の方へ天然い草の良さを、より分かりやすく伝えていきたいと考えております。
そこで天然い草の畳表も、化学表も両方熟知されている皆様のお考えをお聞かせ下さい。(ご回答頂いた内容は、店名は伏せてホームページにて集計・公開する予定です。)」
アンケートのオンラインでの送信についてはこちらから(FAXでの送信はこちらからダウンロードできます)
ご協力のほど、よろしくお願い致します。
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