今年2回目となる生産者との勉強会は、 9月13日(金)に20名の方々と行いました。消費地での畳店向け研修会でどのような畳表が良い物として伝えているのか、また畳表サンプルを見て意見交換を行い、後半では今治タオル産地の事例を元に、今後の産地のあるべき方向性を考えました。
日程:令和6年9月13日(金) 16:00 ~ 17:30
場所:肥後物産(株)
目的:品質向上と反収アップにつなげる
内容:
- 消費地と需要対策の状況について
- 畳店向け研修会サンプルで意見交換
- 畳店向け研修会でどのような畳表が良い物として伝えているのか
-
これからの産地の方向性について
消費地研修会と、モデルとする産地活性化について
今回の勉強会は「畳店向け研修会でどのような畳表が良い物として伝えているのか」という事で行いましたが、消費地へ出向き研修会を行う意義については、今治タオル産地の復活の考え方を参考にしています。この産地復活を一言で言うと「”自らの本質をつかんで研ぎ澄まし、きちんと伝える”という処方箋に従って元気を取り戻した」と言われます。
自らの本質とは「安心・安全・高品質」であり、これを生産者は研ぎ澄ますということ。「きちんと伝える」とは、「品質の違いを伝え、販売方法の具体例などを産地問屋が畳店に丁寧に紹介して伝えていく」という事と考えています。この考え方に沿って実施している次第です。
この方向性の中で、今回の生産者の方との勉強会は「自らの本質をつかんで研ぎ澄ます」の部分と、「伝え方」の確認です。現在、技術によって価格に大きな開きがあるため、どのような商品が良いかの方向性を合わせて、品質アップにつなげようとの趣旨で行いました。
「畳表は飾りじゃない。5年先を見てつくれ」
研修会でお伝えしている内容は、見かけを良くした畳表ではなく、消費者が数年使って「畳はいいね」と思って頂けるような丈夫さと敷物としての美しさのバランスがとれたものの見方です。これは「畳表は飾りじゃない。5年先を見てつくれ」という、かつての広島のトップクラス生産者の言葉ですが、この理念は熊本産地で共有されるべきものと考え、この理念に沿った見分け方をお伝えしています。
今回の勉強会では、この理念を理解するのに大変参考となるサンプルを、今日の日のために今年度、大臣賞受賞者の早川氏に、”せとなみ”の品種で作って頂きました。
これは選別の長さが違う草で、同じヒゲの長さで織った畳表ですが、織りたてはヘリ際まで青みがあり、一見、見分けがつかないほどのものです。見落としがちな裏先の枯れの混入率、これらの違いを見分ける畳店向けのサンプルを私達も見て、価値観を共有しようと臨みました。
アンケートは以下の通りで、主なコメントを抜粋しました。
満足度(アンケート集計):89.7%
- 畳店向けの研修内容を聞けたり、畳表の根や裏先の出し方のサンプルを見れて、勉強会の意味を改めて知る機会になった。生産者が少なくなる中、勉強会にもっと参加できる様になってほしいと思いました。
- 生産者の意識の向上が必要だと思いますし、これが多くの生産者に広まる事が産地全体として望ましいのかと思います。関係者が一つのテーブルを挟んで話せる機会があれば良いのかなと思います。
- 自分自身の畳表の品質を向上させ、指名される様な畳表製織に頑張りたいと思います。
- 今治のケースとても参考になりました。続けるためのマインドを維持し、生産をやめない事が産地にとって大事だと思います。
- 勉強になりました。私どもは高品質を目指しており、さらさ等の高ブランドではないけれど頑張って行きたいと思っております。
- 今治のようになるためには最後に言われた早川さんの言葉が全てだと思います。生産加工までの技術力UPしかないですね。
- 勉強になりました。次回も参加したいと思います。
- 生産の栽培講習会などはされるのでしょうか。海外の需要はあるのでしょうか。大変勉強になりました。ありがとうございます。
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