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肥後物産通信11月号「植付け前の苗管理 勉強会報告」

■産地状況

 い草の植え付け時期が間近となってきました。生産農家では稲刈り後の田圃に元肥の施肥・耕起など、外仕事と並行して製織作業を行われています。植え付け作業が始まると12月中旬頃までの出品は、植え付け作業と並行して畳表の生産を行われる、およそ2割のポット栽培生産者が中心となります。

 

 

 またこの時期、い草原料を仕入れて製織される、織り専門業者の出品もありますが、生産者の減少から原料い草の供給も少なくなっており、原草価格も全般に高くなっています。特に一般の生産者が織られないところの下級品クラスの原料は価格の上昇率が高く、「原料を買って織っても採算がとれない」との声も聞かれます。

 

 目積表や市松表などの特殊品についても、品質に適した草質の良い原料は以前にも増して少ない事から11月より全般に値上げとなりました。

勉強会風景
勉強会風景

■植付け前の苗管理 勉強会報告

 日時:11月2日(水)8:00〜10:00

 参加生産者:14名

 講師:森崎 様(熊本県農業普及所、い業研究所に勤務され、長年い草・畳表の高品質化や普及・指導に関わってこられました。幅広い知識で2月産地研修やせとなみ栽培にもご協力頂いています

 

◎現地検討会

 栽培指導に森崎様をお迎えして、14名の生産者の方々と植え付け前の苗の生育状況を見ながら意見交換する現地検討会を行いました。今年せとなみを植え付けされる3名の苗床の様子を見て廻り、最後に会社で質疑応答を行いました。

 現地視察では、品種によって苗の立ち姿や色調が違い、ポット式移植機で8月苗を植え付けされた苗は生育が良く、長さや株の大きさが良く揃っていました。

 

森崎様の資料より抜粋
森崎様の資料より抜粋

 近年、植え付け方法においては、昔ながらの手植え(現在20%)から、カセット式移植機(現在58.3%)の導入が進んでいます。

 森崎様から提供いただいた苗管理の資料では、カセット式移植機栽培では、手植え栽培と比較して「いぐさ」が受けるストレスが大きい事から、苗管理のノウハウについても、注意してほしいポイントをまとめてあり、「資料を一読し、生産者それぞれに再確認してほしい」と話がありました。

 

 現地視察では、根元の袴(ハカマ)部分の色合いで活きの良さがわかる事や、水滴の付き方でい草がどれくらい水分を含んでいる状態か把握できる事など、生産者の皆さんにも改めて再確認できたのではないかと思います。

また最後に「本田植え付け前の現在の苗床にイグサシンムシガの防除をお願いしたい」との事でした。