■産地状況
3月中旬となり新芽が芽吹いてきました。この時期に発生する芽が、後に発生する長イの最初の母芽になる事から、良質ない草を収穫するうえでも大事な時期となります。
生産は最盛期となっていますが市場出品は平均80点程と、4〜5年前の100〜120点平均からすると2〜3割ほど少ない状況です。現在荷動きは低調ですが、草質の良い品物や出品割合の少ないところは今後を見越した手当があり、昨年の同時期よりしっかりした相場となっています。
■「産地概要サイト」更新のお知らせ
畳店様からのお問い合わせの多い、以下のサイトを更新しました。ぜひ参考にして頂ければと思います。
- 品種について(品種の特性や構成割合を紹介)
- 畳表に使用するい草本数について
- い草の植付けから畳表になるまで
■生産者のご紹介
第3回目は生田大地さん(31歳)です。八代市鏡町で家族3人で2haのい草栽培に取り組んでおられます。大地さんは高校卒業後、琉球大学で植物病理学を学び、卒業後は(株)中九州クボタ本社で5年間勤務されました。27歳の時に自分は長男であり、生田家を守っていくと決意して就農され、今年で4年目を迎えられます。
- 栽培品種:ひのみどり100a、涼風100a
- 織機台数:中村式6台
- い草選別:9段階(7段階を畳表生産、残りは原草販売)
Q:大変と思う事は?
A:刈取り時期の早起きと休みのない1ケ月。それと9月のポット苗作業は人手を頼みますが、およそ1200箱(1箱に320苗)仕立てるのは大変です。
Q:良かったと思う事は?
A:家族で計画して仕事に向き合える事。それと、うちの畳表を使って良かったという声を聞いた時は嬉しいです。
Q:伝えたい想いなど
A:製織作業では長さ選別と仕上げを担当しています。仕上げ作業は父から引き継いだばかりでまだ慣れないところがありますが、講習会で教えてもらった事を実践して、少しでも良質な品物を作っていきたいと思います。
Q:生田さんの畳表は草質が良い特徴があります。草質はその年の天候によって左右される生産者も多い中、毎年あまり変わらない品質の畳表を生産される秘訣を父の誠一さんを交えお伺いしました。
A:土作りを基本として、い草の植え付け前は早めから耕起して田圃を乾かし、根が健全に育つように気を使っている。昔は堆肥をずいぶん投入した。現在はボカシ肥料を使用している。また暖かくなって田圃に水を入れる時期になると、雑草の発生もあるし毎日見て廻る。
い草は農産物だけど、畳表の製織では毎年極端に品質の差がないようにと心掛けている。い草は良く出来る年もあれば、出来ない年もあるので、そこは長さ選別がポイントになる。草質に合わせて天抜き(1番抜き)の長さを決めたら、そこから残り8段階を全て2寸間隔で選別して、い草を揃えるようにしている。特にひのみどりと涼風に関しては2寸抜きでないと品質が安定しないと思う。
となりで誠一さんの話を聞いておられた大地さんも、改めて父の想いを聞かれたようでした。大地さんの今後の活躍が期待されます。
この度は取材のご協力ありがとうございました。
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