丁寧な織りには品がある

織りが緻密な上級品

粗悪ない草の下級品



見た目の美しさにも影響する織り方が、きれいかどうか気になるところです。最上級品質の畳表の製織過程では、草の選別が細かくされているため、均等な太さの茎が揃っており、また 茎の燈芯は実が入って堅く、表皮は弾力性があるために、凹凸が綺麗になり、畳の目が真っ直ぐ通り織り方がきれいです。 

また、きわめて密に織り上げられているので、凹凸の山の大きさも大きいものになります。これに対し、品質の良くないい草でやや粗に織られた畳表は、凸凹の山が低く溝が浅いものになってしまいます。

さて、畳表を織り上げる過程で問題となるのは「い切れ」の問題です。草に粘りがないと重量を多く入れた製品は、"い切れ"を多く起こしてしまい、仕上げ不良となるため低品質の草ではやはり薄くしか織れません。過去の実験で、高品質のい草で織った畳表は2.8kgの重量を入れても、1枚に数カ所しか"い切れ"ができませんが、普通品のい草で同じ重量を入れると、幅10cmの間に数十ヶ所の"い切れ"ができ、1枚当たり、相当の数に達します。

このことから、高品質のい草でないと、目筋の通った品のある畳表は出来ないということになります。選定基準の目安として業界の基準は、次のような分類を掲げています。

最上級品になると、充実した135cm以上の長いい草を使用し、経糸は最高のマニラ麻糸並びに麻糸で織られています。上級品は120cm以上のい草で、麻・絹糸を経糸とし、中級品では、 110cm以上のい草を使用し、経糸は麻糸並びに綿糸で織られています。下級品では、97cm以上、綿糸で織られています。

以上の事を念頭に置きながらじっくり畳を選びましょう。