製品に対しての技術的な講習会などは、これまでも行われてきましたが、トヨタ自動車にある「モノづくりは人づくり」という視点が必要に思います。
「誰かの為に」という想いを持ってモノづくりをすることであったり、基本的な価値観を共有します。
また技術的な講習会や、買い手、売り手の、お互いの視点を共有することも行います。
「厳しい」と言われる熊本産地の状況を良くする基本は、良い考え方、価値観を持つことから始まると思います。
身近なスポーツチーム、職場、例えば自動車会社や家電の会社などで、仮に「誰が悪い、彼が悪い」と言っていたら、やがて姿を消してしまいます。そう思うのではなく、
・「自分たちで解決していこう」
・「自分たちが作り出す価値を世の中の役に立つよう提案していこう」
という姿勢が大切です。以下の価値観を共有し、産地全体に広めていきます。
「中国の歴史書「春秋」を解釈した「春秋左氏伝」にこうある。
「徳は結果的に富をもたらす源である。」
徳が多ければ富はおのずとやってくる。徳が少なくなれば、それに応じて富も減る。・・(略)・・
度量の小さい人は自分だけが得をしようとし、度量の大きい人はみんなが得するように計らう。前者はその利己心によって滅び、後者は公の精神によって栄える。自分の人生をどう生きるかで、盛衰、貧富、興廃、生死が分かれる。だから、常に心すべきではないだろうか。
(内村鑑三・著「代表的日本人」より)
(コメント:マザーテレサの「思考に気をつけなさい」と同じ)
・・(略)・・
徳に励む者には、財は求めなくても生じる。したがって、世の人が損と呼ぶものは損ではなく、得と呼ぶものは得ではない。・・(略)・・
これはみな、賢者が、徳と財との正しい関係を知り、結果でなく原因を求めるからである。
(二宮尊徳の、「なすべきことは、その結果に関係なく、なさねばなりません」と同じ)
「東洋思想の美点のひとつに、経済を道徳と必ず関連づけて論じたことがあげられます。東洋の思想家にとって、富とは常に、徳の結果もたらされるものであり、その関係は、実と木の関係と同じなのです」
・・(略)・・
「したがって、徳の高い人は、木のことを熱心に考えて実を得る。小人は、実のことばかり考えて実を得ることができない」
鷹山が行った様々な産業改革の中でも、特に素晴らしい点はここにあります。まず目指したのは、人々に徳を身につけさせることでした。
(「代表的日本人:社会及び道徳の改革」より)
補助金の支給や年貢の免除は、苦しんでいる人々を救うのに何の役にも立ちません。
それどころか、救済する鍵のひとつは、金銭支援を一切やめることにあります。
このような支援は、強欲や怠惰を引き起こすばかりで、村人のあいだに不和をもたらす種です。
荒れ地は荒れ地そのものの地力で開くもの、貧困はそれ自体がそこから抜け出せるようにできているものです。
・・(略)・・
仁愛、勤勉、自助、このような徳を徹底して行うところに、この三つの村の希望があります。
(小田原藩主への報告書より)
・「きゅうりを植えたら、きゅうり以外のものを期待してはいけません。植えたものしか収穫できないのです」
・「誠意だけが禍を福に変えることができます。駆け引きやはかりごとは役に立ちません」
(「禍福門なし、ただ人の招くところなりけり」『春秋左氏伝』より)
・「人ひとりは宇宙では限りなくちっぽけな存在ですが、その誠意は天地をも動かすことができるのです」
・「なすべきことは、その結果に関係なく、なさねばなりません」
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
「新しき計画の成就は、ただ不屈不撓(ふとう)の一心にあり。さらばひたむきにただ想え。気高く強く一筋に」
中村天風(1876年7月30日 - 1968年12月1日)
影響を受けた人々は、東郷平八郎、原敬、北村西望、宇野千代、双葉山、広岡達朗などで、実業界では松下幸之助、稲盛和夫などである。近くは、松岡修造や大谷翔平などがいる
天風氏は特に言葉の使い方を力説し、ネガティブな言葉(「困った」「弱った」「情けない」「悲しい」「腹が立つ」)といった言葉を厳しく戒めます。
「25歳未満でメジャー挑戦をすれば良い契約はできないが、金より夢が大切なんだ」「契約金も安ければ、年俸もかなり安くなる。そういうことを事前に把握しての勇気あるメジャー挑戦だと思う。」などと評された。
新しい計画を立てて成功させたい、自分が思っている「思い」を実現したいと思うのならば、不屈不撓(ふとう)の一心、つまり「どんな事があっても決して諦めない心」で必死の努力をしなければなりません。他の事は何も考えないで、自分はこうしたいという一点に「思い」を定めて、ひたむきに思いを続けなさい。それも気高く強い心、純粋で美しい心で、一直線に思いを続けなさい。そうすれば成功しないものはない。(解説:稲盛和夫)
自らの本質(安心・安全・高品質)をつかんで研ぎ澄まし、きちんと伝える。これを熊本産地で実現する組織をつくり、「熊本産地に元気を取り戻す」これがこの会の役割です。